プラントや大規模工場における設備工事の発注を任された担当者様にとって、業者選定の基準は多岐にわたります。コスト、工期、技術力……。いずれも重要な要素ですが、絶対に妥協してはならない、最優先事項が一つあります。
それは「安全」です。
プラントの現場には、重量物の吊り上げ、高所作業、火気使用、狭所での作業など、常に高いリスクが潜んでいます。万が一、重大な労働災害や設備破損事故が発生してしまえば、その影響は計り知れません。
- 工事の中断による大幅な工期遅延と、それに伴う生産停止(機会損失)。
- 監督官庁による調査や指導対応。
- 企業の社会的信用の失墜と、ブランドイメージの毀損。
「安かろう悪かろう」の業者に発注した結果、事故が起きてしまえば、最終的に責任を問われるのは発注者であるお客様自身です。だからこそ、リスクヘッジの観点から、「安全管理能力の高い業者」を見極めることが、担当者様の最も重要な任務となります。
しかし、多くの業者が口を揃えて「安全第一」と言う中で、本当に信頼できる業者をどう見分ければよいのでしょうか?
この記事では、安全を企業理念の筆頭に掲げ、数多くのプラント現場で無事故施工を続けてきたタテヌマテクノが、事故リスクを低減させるための業者選定のポイントと、当社が強みとする「一貫施工体制」が安全管理にもたらす決定的なメリットについて解説します。
1. なぜ、プラント工事の現場で事故は起こるのか?

事故を防ぐには、まずその原因を知る必要があります。プラント工事特有の「事故が起きやすい構造的な要因」について見ていきましょう。
1-1. 複数の業者が入り乱れる「マルチベンダー」の弊害
大規模な設備の入れ替え工事などでは、「解体業者」「重量工事業者」「足場業者」「配管業者」「電気業者」など、工程ごとに異なる専門業者が下請けとして入ることが一般的です。
それぞれの業者は、異なる会社であり、異なる安全基準、異なる作業手順、異なる指揮命令系統を持っています。彼らが狭い現場内で同時に作業を行う状況(混在作業)では、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 指揮命令系統の混乱: 「誰の指示に従えばいいのか分からない」「元請けの指示が末端の作業員まで届いていない」。
- 連携不足によるヒヤリハット: 「上部で解体作業をしているのに、下部で配管工が作業を始めてしまった」「重量物の搬入経路に、別の業者が資材を置いてしまった」。
- 責任の所在の曖昧さ: 「安全確認は相手がやっているだろう」という思い込み(だろう運転)が蔓延する。
このように、業者の数が増えれば増えるほど、現場の管理は複雑になり、安全管理の「隙」が生まれやすくなるのです。
1-2. 現場特有の「不安全状態」と「不安全行動」
プラントは、建設現場のような更地とは異なり、稼働中の設備や複雑な配管が張り巡らされた、非常に制約の多い環境です。 「足場が狭く不安定」「照明が暗く見通しが悪い」「高温・高圧の設備が近くにある」といった不安全状態が常に存在します。
そこに、経験の浅い作業員の「近道・省略行動」や、ベテラン作業員の「慣れ・油断」といった不安全行動が重なったとき、重大な事故が引き起こされます。特に、異なる業者の作業員同士ではコミュニケーションが不足しがちで、お互いの危険を指摘し合えない雰囲気がリスクを増大させます。
2. 事故リスクを低減する最強の選択肢=「一貫施工(ワンストップ)」

前述した「マルチベンダーの弊害」を根本から解決し、現場の安全性を飛躍的に高める方法があります。 それが、タテヌマテクノが提供する「一貫施工(ワンストップ)体制」です。
当社は、重量物の移設・据付だけでなく、それに付帯する解体工事、基礎工事、配管工事、そしてメンテナンス(製缶・溶接)までを、自社の管理下で一貫して行うことができます。これが安全管理において決定的な違いを生みます。
2-1. 指揮命令系統の「完全統一」
一貫施工では、現場に入る作業員の大部分が当社のスタッフ、または普段から連携をとっている協力会社です。 現場全体の安全管理を担う「統括安全衛生責任者」や「職長」の指示が、末端の作業員一人ひとりまでダイレクトに、かつ正確に伝わります。
「今日は〇〇の作業が危険を伴うから、このエリアは立ち入り禁止」「重量物の吊り上げ中は、下部の配管作業は一時中断」といった指示が徹底されるため、混在作業による事故リスクを最小限に抑えることができます。
2-2. 責任の所在が明確化される安心感
工程ごとに業者が分かれていると、万が一トラブルが起きた際に「それは解体屋の責任だ」「いや、重量屋のミスだ」といった責任の押し付け合いが発生しがちです。 一貫施工であれば、すべての工程の責任はタテヌマテクノ一社にあります。「責任逃れ」ができない体制だからこそ、一つひとつの作業に対して自覚と責任感を持ち、手抜きのない安全管理を徹底します。発注者様にとっても、安全管理の窓口が一本化されるため、管理負担が大幅に軽減されます。
2-3. 阿吽(あうん)の呼吸による連携
重量物の搬入と、配管の接続。解体と、基礎の補修。これらは密接に関係しています。 一貫施工のチームは、普段から顔を合わせ、お互いの作業内容や癖を熟知しているメンバーです。「重量チームがここを通るから、配管チームはここを空けておこう」といった連携が、言葉を交わさなくても自然に行われます。この「阿吽の呼吸」こそが、マニュアルだけでは防げない事故を防ぐ防波堤となります。
3. タテヌマテクノが実践する「安全管理」の具体的内容

「安全第一」はスローガンではありません。具体的な行動の積み重ねです。タテヌマテクノが企業理念として掲げる「安全」を、現場でどのように実践しているかをご紹介します。
3-1. 徹底した「事前調査」と「作業計画」
事故の多くは、準備不足から発生します。私たちは工事に入る前に、綿密な現地調査を行います。 搬入経路の耐荷重、天井高さ、障害物の有無、危険箇所の特定などを徹底的に行い、それに基づいた安全な作業計画書を作成します。「たぶん大丈夫だろう」という憶測を排除し、データに基づいた計画を立てることが安全の第一歩です。
3-2. 形骸化させない「KY(危険予知)活動」
毎日の作業開始前に実施するKY(危険予知)活動。これを単なる儀式にしている現場も少なくありません。 当社では、その日の作業内容に即した具体的な危険ポイント(例:「今日は雨で足場が滑りやすいので、昇降時は必ず手すりを持つ」)を全員で出し合い、対策を共有します。「自分ごと」として危険を認識させることで、作業員の安全意識を高く保ちます。
3-3. 熟練の技術と資格による裏付け
重量物の玉掛け作業、クレーン操作、溶接作業など、プラント工事には多くの資格が必要です。 当社には、経験豊富な有資格者が多数在籍しています。正しい知識と技術を持ったプロフェッショナルが作業を行うこと自体が、最大の安全対策となります。また、若手社員への技術継承と安全教育にも力を入れ、組織全体の安全レベル向上に努めています。
まとめ:安全への投資は、企業の未来を守る投資

プラント工事の業者選定において、見積金額の安さだけで業者を選んでしまうことは、潜在的な事故リスクを抱え込むことと同義です。
一見、コストが高く見えたとしても、確かな安全管理体制と技術力を持った業者を選ぶことは、事故による莫大な損失を回避し、予定通りに設備を稼働させ、企業の信頼を守るための「最も賢い保険」であり「投資」です。
タテヌマテクノは、解体から据付、配管までの一貫施工体制で、お客様の現場に「安全」と「安心」をお届けします。「リスクを最小限に抑えたい」「安全管理のしっかりした業者に任せたい」とお考えの担当者様は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
お電話またはメールフォームより、お気軽にご連絡ください。 全国のプラント現場での実績をもとに、最適なプランをご提案します。

