建設業界の未来予測【2025〜2035年】これから10年で起きる5つの変化

建設業界には「2040年問題」と呼ばれる大きな節目が控えていますが、その前段階にあたる2025年から2035年の10年間もまた、見逃せない変化の時期です。すでに現場では、さまざまな動きが静かに始まっています。


たとえば、団塊世代の大量引退による人材の空白、働き方改革への対応、インフラ老朽化といった課題が重なり、従来のやり方では立ち行かなくなってきています。建設業は「待っていれば仕事がある時代」から、「選ばれる側」へと変化を迫られているのです。


一方で、社会全体が変化を求めている今だからこそ、建設業界にも新たな役割が期待されています。再生可能エネルギーの整備や災害対策、空き家再生といった社会課題に対応するための基盤づくりに、建設の技術と知見が欠かせないからです。これから10年という時間は、業界にとって「崩れる」か「再構築する」かの岐路になるでしょう。




人口減少とインフラ老朽化が「需要減」ではなく「需給のひずみ」を生む

「人口が減るから、建設業の仕事も減っていく」と考える方は少なくありません。しかし現実には、需要が消えるどころか、むしろ偏りが強まる傾向にあります。問題は「量の減少」ではなく、「場所と分野のひずみ」にあります。


地方では空き家が急増し、一方で都市部では再開発や大規模インフラ整備の需要が続いています。また、インフラの更新時期が集中して訪れるため、一定期間に限ってはむしろ作業量が増加することも予想されています。にもかかわらず、必要な人材が足りず、工期が伸びる現場も少なくありません。


この「需給のミスマッチ」は、特に技能者の偏在に影響します。若年層が都市部に集中し、地域密着型の現場では後継者不足が深刻化。技能の伝承や小規模工事の維持に関しても、大きな不安材料となっています。


また、建設需要の内容も変わりつつあります。新築重視から、改修・維持管理へのシフトが進んでおり、工法や材料選定にも柔軟性が求められるようになっています。つまり、これからの10年は「数をこなす」から「選び、活かす」時代に移行していくといえるでしょう。




BIM、AI、遠隔管理…現場の「技術者像」はここまで変わる

これからの10年で、建設業に最も大きな変化をもたらすのが技術革新です。BIM(ビム)と呼ばれる3次元の設計情報共有ツールをはじめ、ドローンによる測量、現場カメラとAIを組み合わせた進捗管理、さらには機械の遠隔操作まで、すでに一部の現場では当たり前になりつつあります。


こうした技術の導入により、作業の正確性や効率性が飛躍的に向上しつつあります。一方で、現場で求められるスキルや役割も大きく変わってきています。たとえば、紙の図面を読むだけではなく、タブレット上の3Dモデルを操作して工事の流れを把握したり、ICT機器を使って工程や安全管理を行う能力が重要になっています。


また、現場と事務所の情報連携がスムーズになることで、若手や未経験者でも安心して作業に取り組める環境が整い始めています。これにより「経験がすべて」だった時代から、「理解力と対応力」が重視される時代へと移行しています。


つまり、建設業における技術者像は、肉体労働中心の職人型から、チーム全体を動かす調整型、あるいはITと現場をつなぐ橋渡し型へと進化しているのです。この流れを正しく理解し、柔軟に対応していくことが、今後の10年を生き抜く鍵になります。




競争軸は「安さ」から「対応力」へ

これからの10年、建設業界で生き残っていく企業と、そうでない企業の違いはどこにあるのでしょうか。その差は、単に技術や価格ではなく、「変化に対応できるかどうか」に集約されていくと考えられます。


たとえば、これまでの業界では「安く早く仕上げる」ことが重視されてきました。しかし、今後は価格だけでなく、安全性や品質、柔軟な対応力といった要素がより重視されるようになります。発注側も、施工だけでなく「相談に乗ってくれるか」「わかりやすく説明してくれるか」といった視点で業者を選ぶようになってきています。


また、情報の透明性も大きな分かれ目です。進捗状況や見積もり内容をデジタルで共有できる企業、業務の属人化を防ぎチームで対応できる体制を持つ企業ほど、信頼を得やすくなります。とくに中小企業においては、経営者と現場が一体となって柔軟に動けることが、むしろ大手にはない強みにもなり得ます。


もうひとつの注目点は「教育力」です。未経験者や若手を受け入れて育てていけるかどうかは、10年後の企業体力に直結します。技術の蓄積だけでなく、人を育てることのできる企業が、変化の時代を乗り越えていくのです。




「作業者」ではなく「技術者」として生きる道

建設業界で働く人にとっても、10年先を見据えたキャリアの選択は避けて通れません。ただ作業をこなすだけの働き方から、自分の価値を意識して磨いていく働き方へとシフトしていく必要があります。


その第一歩として、多くの現場で求められているのが、施工管理や技術営業といった「現場と人をつなぐ役割」です。現場経験がある人材ほど、相手の立場に立った調整ができるため、図面だけを見て判断する人材よりも重宝される場面が増えています。


また、資格取得も自分の幅を広げるうえで有効です。たとえば「施工管理技士」は国家資格であり、経験と筆記試験を通して得られる信頼の証です。他にも電気工事士や建築士、測量士補など、業務の専門性に応じて様々な資格がありますが、共通して大切なのは「実務に活かせるかどうか」です。


さらに、近年ではCADや写真管理アプリなど、ITスキルの有無もキャリアの広がりに影響を与えています。これらのツールは難解なものではなく、基本的な操作に慣れておくだけでも十分役立ちます。


10年後に「どんな働き方をしていたいか」を思い描いたとき、それに必要な経験や学びを逆算して今から積み重ねていく。そんな姿勢が、自らの価値を高める最も確かな道となるはずです。

👉 https://www.tatenuma-techno.com/recruit




10年後の建設業界に必要なのは、変化を前提とした備え

建設業界の10年先を考えるとき、最も重要なのは「変わらないもの」ではなく、「どう変わるか」に対して準備ができているかどうかです。人口減少、インフラ老朽化、働き方改革、技術革新。これらはすべて避けられない流れであり、拒むのではなく、受け止めて動くしかありません。


そのなかで問われるのは、「これまでのやり方にしがみつくか」「新しいやり方を柔軟に取り入れるか」という姿勢の違いです。この選択が、10年後の自分や会社の立ち位置を大きく左右します。


変化に完全な正解はありません。だからこそ、一つひとつの現場で経験を積み、少しずつ視野を広げていくことが、確かな力になります。そして、その歩みのなかで「誰と働くか」「どんな価値を提供するか」を見極めていくことが、未来への道をつくるのです。


もし、これからの建設業界での働き方や将来像に関心をお持ちであれば、こちらから情報を確認することもできます。小さな一歩が、大きな変化につながるかもしれません。

👉 https://www.tatenuma-techno.com/contact